仕事に疲れたと感じている方、キャリアの方向性に悩んでいる方にとって、キャリアブレイクは理想的な解決策となるかもしれません。
キャリアブレイクは、仕事を一時的に中断して自分の成長やリフレッシュを図るための貴重な時間です。
このブログ記事では、キャリアブレイクのメリットとデメリット、計画と準備の方法、キャリアブレイク中に取り組むべき活動、そして再就職の戦略について詳しく解説します。
あなたのキャリアブレイクを成功させ、キャリアブレイクを有意義な時間に変えるための具体的なアドバイスと充実したキャリアを築くためのヒントを提供します。
こちらの記事は以下の書籍を参考にさせていただきました。
キャリアブレイクとは?
定義と目的
キャリアブレイクとは、仕事を一時的に中断して個人的な目標や興味に集中する期間のことを指します。
その目的は多岐にわたり、リフレッシュや自己再評価、新しいスキルの習得、自己啓発、スキルアップ、育児、介護、旅行などがあります。
離職しているため、会社との雇用関係は一時的に断たれます。
再就職時には新たな雇用契約が必要となります。
女性が出産や育児のために仕事から離れることはキャリアブランクともいわれますが、こちらとは意味が異なります。
また、キャリアブレイクと似た概念のもので、サバティカル休暇というものがあります。
違いは、会社に籍を置いたまま、長期休暇を取得する制度となります。
その目的は、研究、自己啓発、リフレッシュ、留学などが一般的ですが、企業によっては目的を問わずに許可がでるところもあります。
休職の一環として休暇を取得するため、雇用関係は維持されます。
休暇後は元の職場に復帰します。
日本でも一部の企業が導入していますが、社会保険料の負担などの課題があります。
キャリアブレイクの中にサバティカル休暇が含まれている、そんな印象です。
海外のキャリアブレイクの浸透状況を少しご紹介します。
キャリアブレイクの文化が最も浸透している国の一つであるイギリスでは、多くの企業がサバティカル休暇制度を導入しているます。
従業員が長期休暇を取得して自己啓発や旅行などを行うことが一般的です
オランダではワーク・ライフ・バランスを重視する文化があり、キャリアブレイクを取ることが珍しくありません。
特に、子育てや介護のために一時的に仕事を離れることが社会的に受け入れられています。
ドイツでは、サバティカル休暇制度が法律で定められており、従業員は一定期間働いた後に長期休暇を取得する権利があります。
この期間を利用してキャリアブレイクを取る人も多くいます。
充実した社会保障制度があるスウェーデンでは、キャリアブレイクを取りやすい環境が整っています。
育児休暇や学習休暇など、様々な理由での長期休暇が認められています。
オーストラリアでは、若者を中心に、ワーキングホリデーを利用したキャリアブレイクが一般的です。
海外で働きながら新しい経験を積むことが、キャリア形成の一環として捉えられています。
これらの国々では、キャリアブレイクが個人の成長や生活の質の向上に寄与するものとして肯定的に捉えられており、企業や社会全体がそれを支援する傾向にあります。
日本でも積極的にとりいれてほしい考え方です。
キャリアブレイクをとるの一般的な理由
キャリアブレイクを取る理由は様々です。
例えば、バーンアウトを避けるためのリフレッシュや、家族との時間を増やすため、新しいスキルを学ぶためなどです。
これらの理由により、キャリアブレイクは個人の成長や生活の質向上に寄与することがあります。
また、キャリアブレイクは仕事を見直す際の第3の選択肢です。
これまでは仕事を「転職する」「今の仕事を続ける」の2択だけでした。
キャリアブレイクはそこに「仕事から離れる」という第3の選択肢の位置づけとなります。
ここで、キャリアブレイクと無職の違いについても軽く説明します。
結論、キャリアブレイクは自発的で計画的な職場離脱を意味し、特定の目的を持って一時的に仕事を離れることを指します。
一方、無職は計画的でない場合も含めて、望まない形で職を失った状態であり、次の仕事を見つけることが主な課題であることです。
キャリアブレイクは通常、計画的に取られるものであり、個人が自発的に一時的に仕事を離れることを指します。
目的や期間も人それぞれで、スキルアップ、自己啓発、家庭の事情、健康回復、旅行などがあり、期間もそれに応じます。
再就職の際にプラスとなる経験やスキルを得るための期間でもあります。
キャリアブレイクの社会的認知としては、海外では当たり前となっている国もいくつか見られます。
日本においては、徐々に社会的にも認知されつつあり、キャリアの一環として肯定的に捉えられることが多いです。
無職は必ずしも計画的ではなく、望まない形で職を失った状態も含まれます。
例えば、リストラや契約満了など、外的要因による失職が一般的です。
計画性が乏しいため、無職の期間には明確な目的がない場合も多く、次の仕事が見つかるまでの一時的な状態であることが多いです。
職探しが主な活動となります。再就職の時期も不確定であることが一般的です。
見つかり次第就職ということも多く、方向性が定まらないうちの再就職となりミスマッチも起こりやすい状況と言えます。
無職の期間は、社会的認識において、しばしばネガティブに捉えられることがあり、個人にとってストレスフルな時期となることが多いです。特に長期の無職期間は履歴書において、働く意思が認められず空白期間とみなされ、再就職に不利に働くことがあります。
キャリアブレイクのメリットとデメリット
メリット
ミスマッチの転職リスクを減らす
転職を考えていている人が陥るリスクは、十分に自分の棚卸しができないうちに次の方向性を定めてしまうことです。
転職活動が日々の仕事の合間で行ったり、無計画のまま仕事をやめてしまい、経済的に余裕がないまま転職活動をしなければならない場合です。
どちらも、心理的に焦った状態です。
今働いている職場に不満や将来の不安があり、転職を行う人が多いと思います。
その不満や不安を引きづっての就職活動だと、本来の自分の求める方向性がずれてしまうこともあります。
例えば、給与がもっと貰える職場、福利厚生がしっかりしている会社、有給がしっかりと取れる会社等が選ぶ基準になってしまう場合などです。
また、次を決めずにやめてしまった場合、早く次を決めなければという焦りから、自分軸をじっくり定める時間がとれません。
一方で、キャリアブレイクに入った場合は、自分を見つめ直す時間がとれます。
これまでの働き方、仕事、人生で何を大切にするのか、じっくりと時間をかけて振り返ることができます。
結果、自分軸が定まり、転職活動に取り掛かることができます。
自分の価値観にあった企業の採用活動のタイミングに出会う可能性も高まります。
結果、ミスマッチが起こりにくい転職ができます。
心からの休息とリフレッシュ
キャリアブレイクは心身のリフレッシュに役立ちます。
最初は、仕事にいかなくて良い安心感と社会に所属していない不安など色々な感情がでるかと思います。
また、何気なくSNSなどで友だちの様子などを除くと「今日も1日お疲れ様でした!」など充実した日々を垣間見たりすると焦りもでてきます。
ですが、せっかくのボーナスタイムです。
今まで頑張った自分を労い、自分があえてキャリアブレイクを選択し、次の方向性を正しく定めるため、自分が本当に大切にしている価値観を再確認するための時間と決めることが本当の心のリフレッシュになります。
自分のキャリアや人生の方向性を再評価する貴重な機会です。
これにより、今後のキャリアプランをより明確にすることができます。
新しいスキルの習得
キャリアブレイク中には新しいスキルを習得する時間があります。
例えば、新しい言語を学んだり、専門的な資格を取得したりすることができます。
これにより、キャリアブレイク後の再就職において有利になることがあります。
また、自分の趣味を復活させたり、これまで行ってきた趣味活動が仕事に結びつく可能性もあります。
本業とはならずとも、副業や兼業としてなりたつ可能性もあります。
新しいスキルの習得が本業に活かせル場面がなくても、本業はあくまでも生活のためと定め、趣味を楽しむ・趣味から展開した副業に情熱を傾ける、そんな人生の選択がうまれることもあります。
デメリット
キャリアの停滞リスク
キャリアブレイク後の再就職が難しい場合があります。
キャリアに空白があることに許容不可の企業体質であれば、就職は難しいかもしれません。
特に長期間のブランクがあると雇用市場での自信の競争力が低下することや会社の選択肢も減る可能性があります。
急成長している分野では、現場を長期間離れることにより、マイナスの影響を与える可能性があります。
経済的な不安
キャリアブレイク中は収入が減少もしくはストップするため、経済的な不安が伴うことがあります。
そのため、事前に十分な貯金や家計管理を行うことが重要です。
あらかじめ、生活のためのお金以外にどういったものが必要となるのかもチェックしましょう。
キャリアブレイク中の活動
自己啓発や 新しいスキルの学習
キャリアブレイク中は自己啓発のチャンスです。
新しい言語やプログラミングスキル、クリエイティブな技術などを学ぶことで、自分自身をさらに成長させることができます。
趣味や興味の追求
趣味や興味を追求することで、生活の質を向上させることができます。
アートや音楽、スポーツなど、好きなことに時間を費やすことで、リフレッシュしながら新たな発見が得られます。
多くの人は、定期的に収入が入ってくる状況ではないために、お金の使うところにも慎重になるでしょう。
本当に自分を満足させるもの、買いものひとつに対しても敏感に考えられるようになります。
例えば、お菓子1つ買うにしても本当に心から欲しいものなのかを自分の中で改めて問うことができます。
一つ一つのものが、惰性で買っているのではないかと自分の心を見つめ直せる機会だと思います。
健康とウェルビーイング
キャリアブレイク中は、ウェルビーイングを蘇らせる機関とも言えます。
ウェルビーイング(Well-being)とは、人々が自分の生活に対して満足し、精神的・肉体的に健康であり、幸福感を感じている状態を指します。
先延ばしにしていた体の気になる痛みを明らかにするために病院に行く。
今までは外食やコンビニ食で済ませていた食事を少しだけ自炊にしてみる。
ジムに通ってみたり、ランニングや朝散歩を取り入れてみたり、宅トレをしてみる。
病院で診断され、なんともなければ、私達は、それだけで気分がスッキリします。
また、通院になるにしても原因が特定されれば、精神的にも不安がへります。
食事を見直して、体を大切にしてみる。
瞑想を取り入れて、今に集中してみる。
フィットネス似通ってみたり、興味のあるスポーツの体験に参加もできます。
自分を大切にするということは、精神的な面だけでなくつながっている肉体的にも大切にすることです。
意識して定期的な運動や健康的な食事を取り入れることで、心身の健康を維持することが重要です。
メンタルヘルスの維持
メンタルヘルスの維持も重要です。
この時期をきっかけに、自分に最適なルーティンを確立するのもよいでしょう。
ストレス管理やリラクゼーション法を取り入れ、心の健康を保つことで、キャリアブレイク後の再スタートに備えることができます。
本を読んだりやゲームをやり込む、自分の興味のあるものを掘り出してみる。
少し精神面で不安を感じるならば、心療内科で相談する、カウンセリングを受ける、コーチングやグループワークに参加する。
なかなか会えなかった友だちと夕飯を食べたり、興味のあるイベントに参加してみたり。
また、日々のしごとから開放されることで、自分の認知のゆがみに気づくこともあるかと思います。
例えば、こんな認知のゆがみはありませんか?
仕事がないとすぐに生活困窮する→失業保険や貯蓄で明日から生活できなくなるということはない。
周囲の人は自分のことを常に見ている→人は自分のことに精一杯。他人のことはどうでもよい。
この就業期間の空白は私の人生にマイナスしかない→起こっていない未来への極端な解釈。
認知のゆがみを正す方法の一つとしては、認知行動療法があります。
仕事で疲れすぎてしまう人は、このゆがみにきづいていない人が多いように感じます。
本来は、精神科医と面談を通して行うことが多いのですが、自分を理解するうえで知識として知ることも大切です。
なかなか自分では、気づきにくい部分でもありますが、キャリアブレイクの機会に一読することをおすすめします。
厚生労働省「うつ病の認知療法・認知行動療法 治療者用マニュアル」
まとめ
キャリアブレイクは一時的な停滞や無職の期間ではなく、次のステップへの準備期間、充電期間と捉えることが重要です。
経済的な不安やキャリアの停滞リスクを最小限に抑えるために、十分な準備と計画が必要です。
この期間を有効に活用することで、より充実したキャリアと生活を築くことができます。
キャリアには王道はあるが正解はない、というのが私の考えです。
多くの人は王道が「正しい」と考えますが、「無難な道」もしくは「今の世間に沿う道」なだけ。
あまり多くの人が通らない道だけど、自分が楽しいと感じる寄り道をしてもよいと思うのです。