バンデューラによって提唱される、「自己効力感」。
自分がある行動についてしっかりとやれる、という自信。
ある行動、というのがミソかな。
①遂行行動の達成
自分の力でやり遂げたという経験。感覚。
②代理的経験
モデリング。他者の経験を見聞きして自分の体験をして取り込む。失敗はそうならないようにと学ぶ。
③言語的説得
自分の行動に対して、他者から繰り返し褒められたり励まされたりすると、その行動に対して自己効力感が高まる。
④情動的喚起
生理的・感情的な変化を体験することにより、自己効力感に変化が起こる。
以上のことを、
実際のキャリアカウンセリングに活かすには。
「やり遂げてきたことは何か?」(遂行行動の達成)
「仕事におけるロール・モデルは誰で、どんな人か?」(代理的経験)
「どのようなことで周囲から認められてきたか?」(言語的説得)
「冷や汗をかくようなドキドキした仕事・場面はなんであったか?」(情動的喚起)
実際問題。
自己効力感がもともと低い人は、仕事の上でもこう考えると思うんです。
やり遂げてきたこと。→「あるにはあるけど、たまたまうまくいっただけ」
仕事におけるロール・モデル→「あの人のようには自分はとてもなれない」
周囲から認められたこと→「ほめられた経験、ありません(実際はあるのだけれども受け入れられない)」
冷や汗をかくようなどきどきした仕事→自分のせいで。。。2度とあんな経験はしたくない。
大げさではなく、本当にそう思い経験や知識、実力を自分の糧にできない、もしくは少しずつしか拾えないのが、本質的に自己効力感が低いことなんだと思います。
そういう人がクライアントとして担当するときには、キャリアに関しては、認知の歪みを修正したり、別途、心理療法をリファーする方法もあるかなと考えます。
*1:JILPT 資料シリーズ
職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査p33