この記事の内容は、職業訓練校での講義を聞いた内容を自分なりにまとめたものになります。
そして、15年以上雇われデザイナーとして働いて転職し続けてきたわたしの経験談も入ってます。
ポートフォリオは、転職面接に置いて、『超』が100個つくほどデザイナーを目指す人にとっては大切です。
「いやいや、私は未経験で実務もないからポートフォリオなんてできんよ」という方がいたらぜひ、この記事を読んでください。
業界業務未経験、実務経験なし、子育て真っ最中の30代の私が仕事を勝ち取ったこともあり強く言えることがあります。
この記事を読めば、すぐにでもポートフォリオのことを考えたくなること間違いなしです。
参考になれば嬉しいです。
私の経験談
私が初めてデザイナーとして転職成功したのも「ポートフォリオ」があったためでした。
この時の私のスペックは、上記に書いたように30代で業界職種全くの未経験、2人の保育園児の子育て真っ最中というものでした。
しかもMacに触ったこともない、という状態からのスタートです。
そこから6ヶ月のデザイン勉強を経て、Web兼グラフィックデザイナーとして正社員での転職を勝ち取りました。
当時、勉強を始めたときから毎日コツコツと更新していたのは『ブログ』です。
そう、ポートフォリオの代わりに日々の勉強をブログにアップしていました。
勉強の内容、覚書、制作途中のもの、目にしたデザインに対する考察などなど。
後から考えるとこのブログからうかがえるのは
・日々、成長のために継続する力
・生活の中での時間管理
・デザインソフト使用スキルの向上
・ITリテラシーの向上
などなど。
企業側としては、未経験だとしても「学ぶ意欲がある人」「最初は手助けがいるけど独り立ちが早そう」という将来性を見てくれたのだと思います。
ポートフォリオの芯とは…
ポートフォリオの芯とは、自分なりの考察を載せること。
0からデザイナーを目指す人は、課題で作成したものやトレースでもOKです。
※ただし実際のサイトをデザイン&コードトレースしたWebサイトのサーバーアップはNG行為です。
書くべきことは整ったデザイン、だけが重要なのでなく、
・トレースしたデザインはどういった意図を持ってこの配色にしたのか。
・制作時にひらめいた「もっとこうしたらよいのではないか?」のアイディアや気付き、改善点。
・コピーはなぜこのフォントとこのサイズで表現されているのか、仮説のたてかた。
・自分がデザインしたときに難しかったのはどこか、などのこれから自分自身の課題。
・マーケティング視点で工夫したことはどこか?などなど。
学ぶ姿勢と考えたことを言語化することが大切なアピールとなるのです。
これがポートフォリオでの芯の部分となり、自分の側面を見せるポイントとなります。
学び始めたときからのものから現在のものを比べたビフォアアフターを載せるのも成長が一目で見れるのでGoodです。
考察の書き方もデザイン力や見せ方のアピールです。
長文をダラダラ書くのはNG。
ここぞというポイントをわかりやすくすることを考え、ひとひねりしましょう。
具体的なの作成のポイント
印象付けるために転職希望の企業が出している商品のアドをつくってもよいでしょう。
営業希望だったら提案資料もよいかもしれません。
もしくは、実際に仕事をしているつもりで、依頼されたときと同じ状況を想定してオリジナルを作成、どんどんポートフォリオに載せます。
そこには、
掲載する制作物のコンセプトをテキストで書いておく。
仕事への取り組み方や姿勢、考え方を示すことができます。
制作物はテイストの違うものを複数用意します。
同じテーマでも多角的な考え方やテーマへのマッチング・思考範囲などを推し量る材料となります。
制作物は、例えばWebデザインならばPCの画面に写したモックアップをのせて魅力的に見せます。
これ自体で見せ方や企画力をアピールすることができます。
自分のスキルを明確に謙遜しすぎずに示しておきます。
初心者でも0から教えなくて良いこと、学ぶ意欲を見せることができます。
例えば、チラシデザインなどにある「ダミーテキスト」を極力減らし、イメージしやすいものを乗せます。
ここでは、ChatGPTなどのAIをうまく活用してダミーテキストで入れ込みましょう。字詰めの練習にももってこいです。
自分アカウントのSNSも積極的に。特に自分でマーケティングの知識を総動員して勝ち得たフォロワー数もアピール対象です。
フォロワー数以外でも、継続できたポイントなどもアピールになります。
これは便利、面接でも企画力をアピる
特におすすめはポートフォリオサイトをQRにして面接書類といっしょに提出します。
応用力・アイディア・企画力とともに、どうしても見てもらいたいというアピールにつなげられます。
ポートフォリオのQRを作成して、A6ぐらいのサイズに印刷します。
それを履歴書や職務経歴書といっしょに貼る。面接の時に提出すると、見てもらう確率がぐんっと上がるそうです。
QRを採用担当者が、自らサイトを見に行くという行為につながることは非常に稀なことです。
これは、わたしが職業訓練校の講座で聞いた方法なのですが、なるほど〜と納得。
というのも、わたしが体験した過去の出来事がよみがえったためです。
昔、ポートフォリオサイトのURLを職務経歴書に書いていたのですが、担当面接者のPC入力ミスで見てもらえないことが多かった…。
(面接官)「見れませんよ、このURL」(わたし)「え…(コピペしてURL踏んで確認済み、入力ミスやろ!)」(面接官)「後で見ときますね」(わたし)「お願いします(120%、見てもらえないな)←これは本当らしい」
今はスマホもあり、QRがあれば簡単にアクセスできます。これはいい。
そのポートフォリオには、もちろん、自分自身の思いを語ります。(ただし結論ありきでさっぱりと)
これまでのこと、この思いに至った経緯、今回取り組んだポートフォリオへの思いなどなど。
(自分だけの、自分自身の思いを言語化して表現することが大切)
自分でWebサイトポートフォリオにする場合
Webサイトでのポートフォリオを作成した場合は掲載するデザインの主張だけでなく使う人の利便性も考慮します。
サイト作成をする場合は、サイトの仕組みや回遊性、そのサイトを訪れた人が使いやすい仕組みになっているか等ができているかを見られます。
その後も続く、自分のアピールサイトになることも考えましょう。ブログなどと連動してもよいかもですね。
自己紹介・実績紹介・スキル紹介以外に、特にお問い合わせフォームはすぐにフォームが立ち上がるようにする、などの使う相手のことを考えた設計をしましょう。
実際の面接では
以下は、面接官の立場でお話されていた講師の方のお話を聴いたことを自分なりにまとめてみました。そこに自分の考えも味付けしました。
デザインの技術は上手い下手ではなく、個人の『色』であり『個性』です。
できるできないではなく、その人自身の個人を見せるということ。ただしここで言う「個性」とは、クライアントや依頼者が伝えたい部分を最も表せるその表現の仕方の違いということです。
自分が表現したいことではないということです。そのあたりは、デザイナーを目指す人は要注意です。
技術は表面的な部分で、入社の時点ではどのあたりから教えていけばよいのかの指標であり学ぶ意欲があるかが重要であること。
マーケターでの募集の場合、企業が求めているのは『実績』です。
これから学んで未経験で挑戦する人は、現職場でマーケティングに関わりある実績をつんでおくことがよいかもしれません。
もしくは、独学や学校で学んだ内容から実際の企業を取り上げてマーケティング視点で考えたことをポートフォリオに載せる挑戦をしてもよいですね。その時にもやはり、自分なりの考察を書いておくことが自分の頭の中の道筋を辿ってもらうためにも良い方法です。
わたしがもしマーケター募集に応募するなら、この方法で行うと思います。
マーケターに必須の素養としては、トレンド変化が激しい業界なので、知識・理解度・アンテナが見られるかが重要になってくるそうです。
オウンドメディア、ソーシャルメディア、アーンドメディア、ペイドメディアなどへの理解度と使いどころを知っているかがポイントです。
オウンドメディア (Owned Media)
企業が自社で保有・運営するメディア
例: 自社ウェブサイト、ブログ、メールマガジン
【特徴】コンテンツを完全にコントロールできる、長期的な情報蓄積が可能、SEO対策に有効
ソーシャルメディア(Social Media)
定義: ユーザー同士のコミュニケーションや情報共有を目的としたプラットフォーム
例: Facebook、X(Twitter)、Instagram、LinkedIn、LINEなど
【特徴】ユーザーとの双方向コミュニケーションが可能、種類によっては情報の拡散力が高い、即時性がある
アーンドメディア (Earned Media)
定義: 『第三者』ペイドメディア (Paid Media)
例: クチコミ、ブログ記事、メディア掲載、SNSでの言及
【特徴】信頼性が高い、コストがかからない、コントロールが難しい
ペイドメディア (Paid Media)
定義: 広告費を支払って露出を得るメディア
例: リスティング広告、ディスプレイ広告、新聞・雑誌広告
【特徴】即時的な効果が期待できる、ターゲティングが可能、コストがかかる
情報に対して、視野が狭くなくかつ、独りよがりでない見方を表せているかどうか。多角的に見ることができるか。
これは、意識しないと年代が上がるにつれて狭くなりがちですね。
マインドセット大切です。
「普段、どんなメディアを見るのか?」「そのメディアの強みと弱みはどのような点か?」という質問に対して、プロとアマチュアの違いが見せることができるか?
仮説を持つこと、その仮説への裏付け、検証の方法、情報を得る方法とその深さなどなどを自分の中で言語化しておく。主体的に動ける人か。
それでは「まとめ」いきましょう
ポートフォリオの重要さ実際にどのような心構えで作成すればよいのかを書いてみました。
美しいポートフォリオが大切と思いがちですがそれは表面的な部分だけ。
ポートフォリオを作成した人の側面、その思考や思い、価値観を見せることが大切です。
恋人関係と同じですね。表面の醜美だけではなくその内面。深く付き合うからこそその人の考えている方向性や価値観が大切です。
そもそも、仕事選びも恋人選びと同じようなものと考えている私です。
面接の時は何百人という人を面接官の人は見るはずです。
そんな中でこの人いいかも、価値観合うかも、会社に入ったら頑張って伸びてくれるかもと思ってもらえること。
ポートフォリオでは履歴書や職務経歴書では説明しきれない部分を説明してくれる「隠れた名書」です。
40代以降の転職活動にぜひ、熟考に熟考を重ねたポートフォリオを作成してください。