結論として、転職回数が多いことは不採用につながる可能性があります。
スキルアップのための計画どおりの結果だ。
ブラック労働過ぎて、自分を守るための退職だった。
どうしても転職しなければならない理由があった、
ですが、企業がそれを応募者の意図のとおりに評価するのは難しい場合もあります。
この記事では、企業が転職回数の多い応募者に対して感じる印象や考えを書いてみました。
企業側の思いを理解すれば、転職理由のアピールの方法もつかめるはずです。
なるほど！という気づきがひとつでもあれば幸いです。
転職回数が多いと不採用になる理由
転職回数が多いと、不採用になる可能性が高まります。これはなぜなか？
一般的に思われるのは「またすぐに辞めるのではないか」という懸念が浮かぶから、というものでしょう。
結論、すべてはその点に集約されるのですが、次の記事でもう少し深堀りしてみましょう。
ちなみに一般的に言われている「転職回数が多い人」の基準は、一般的に1つの会社に在籍する期間が2～3年未満で、複数の職場を転々とするケースを指すことが多いです。この期間内に繰り返し転職（例えば１年未満など）をすると、採用担当者が「短期間での転職が続いている」と見なす傾向があります。
ここでは前提として、2～3年未満で、複数の職場を転々とするケースを考えます。
雇用主の心理と応募者に対する印象
多くの企業の心理としては長期的に働いてくれる人材や会社への忠誠心を望んでいます。
これは、雇用するのに決して安くない費用と人的コストがかかるためです。また、入社してからの教育コストなどもかかります。
こういった面でも人を雇うからには、企業ができるだけ優秀で長く会社に貢献してくれる人を求めるのは当然と言えます。
そのため、頻繁な転職は「安定性やコミットメントに欠ける人」と捉えられがちです。そのほか、仕事に対して「飽きっぽい」、人間関係に対して「柔軟性がない」といった印象を与えます。マイナスの印象を与えることがあります。
応募者にとって転職がキャリアアップや自己成長のため、のっぴきならぬ以上があったとしても、履歴書の第一印象に引っかかりを覚えるのです。
応募者のスキルと評価の関係
転職では、スキルの評価が重要な要素の一つです。転職回数が多い場合、雇用主はその候補者のスキルをどのように評価するのでしょうか。
結論から言うと、転職回数が多いとスキルに対する見方が厳しくなる場合があります。
理由は、短期間で何度も職を変えることで、雇用主がその能力に疑問を持つからです。短期間で習得できたというスキルなんて大したことないという感じでしょうか
例えば、IT業界でのプログラマーやエンジニアの職の場合、企業が求めているのは継続的なプロジェクトの経験だとします。転職回数が多いと、雇用主は「この人は一つの職場で成長しきれなかったのではないか」「プロジェクトに参加していても主要な部分はまかせられなかったのではないか」と捉えることがあります。
雇用主は限られた情報の中で、候補者の適応力や求めるスキルのマッチ度を判断します。短期間の転職が繰り返される場合、応募企業に必要なレベルのスキルを持っていると判断されづらいのです。スキルが本当に身についているか、経験値が十分なのかの判断が難しいのでしょう。
また、転職が多いと「スキルを短期間で習得しただけではないか？」と見られる可能性もあります。一見、これまでの内容と矛盾している考え方ですが、いわゆる「御社で勉強させてください！」という考えの人ではないか？という懸念があると思われます。ようやく仕事が任せられるようになった頃にやめていくのではないかという心配がつきまとうのです。
企業によって求められるスキルや価値観が異なるため、転職回数とスキルの評価は企業によります。
また、これまで企業が体験してきた人事経験にもよるでしょう。
結論として、転職回数が多いとスキルの評価に対して否定的な見解を持たれることがあるものの、それだけで不利になるわけではありません。重要なのは、いかにして自身の経験やスキルを、職業としての一貫性をアピールし、雇用主に納得させるかです。
応募者の職務履歴の不安定さ
職務経歴書は、いわゆるその人の「人間性」の現れとも言えるのかもしれません。
転職を繰り返している人の職務経歴書の不安定さはすなわちその応募者自身の不安定さにもみてとれるのかもしれません。
「信頼性の欠如」：長く同じ職場で働いていない場合、その人の業務への責任感やプロジェクトへのコミットメントを疑われることがあります。
「適応力への不安」短期間での転職が続くと、新しい環境や人に適応できないのではないかという懸念が生じます。人間関係に構築にも不安を感じます。
「チームワークのリスク」：一緒に仕事をするメンバーが頻繁に変わる場合、チーム全体の一体感や協力関係が損なわれる恐れがあります。途中で仕事を投げ出され、チームに大きなリスクを背負わされるという懸念もあります。
「業務に対する真剣さの疑念」：転職を繰り返すことで、その会社の職務や業界に対する情熱や執着心が薄いと見做される可能性があります。ひいては、会社に対する「忠誠」「愛着」に疑わしさも感じます。
職務履歴の不安定さが必ずしも悪い結果を生むわけではありません。実際のところ、状況や背景には個々の事情があるため、転職は避けられない場合もあります。しかし、この職務経歴書の不安定さは「この人は本当に信頼できるのか？」という疑念が生じやすく、その結果として不採用に繋がることが多いのです。
実際には、雇用主にとっては数年以上にわたって同じ企業での実績が求められることがしばしばです。異なる役職を経験していることはメリットでもありますが、それが将来的な信頼性にどの程度寄与するかを見極める必要がでてきて、ためらいがでるのかもしれません。
ありえない話でない？企業にとって応募者がハイスペックすぎる
私は採用側として面接に立ち会ったことは数えるほどしかありません。
ですが、企業側が求める人よりも高度なスキルを持った人が来る可能性もあると思います。
おそらく企業側とすれば、「なんでうちにこんなすごい人が応募してきたんだ？」という感じです。
転職を数多くこなして、その職場ごとに経験とスキルを得た人はたくさんいるはずです。
あきらかに職場の求めるスキルよりもオーバースペックの場合でも応募者本人のためにも職場の雰囲気のためにも採用を見送る場合がありそうです。
それでは「まとめ」行きましょう
転職回数が多いことはマイナスとは言えません。スキルが多様であれば、その分、異なる職場での経験が役立つ場合もあるのです。異なる業界での経験が、柔軟な思考や多角的なアプローチを育むことがあります。また、多彩な環境での経験のチャンスを掴んだ人物とも言えます。
見方次第では、新しいことにチャレンジする向上心や行動力がある人物とも言えます。
その人を雇い入れることで、停滞を感じていた企業にとっては新しい風が吹くチャンスともいえます。
以前は一つの会社に長く勤務することが理想とされていましたが、最近の転職市場の傾向では多様な経験が重視される傾向もあります。
希望する企業への転職を果たすには、上記の応募企業の懸念点を払拭し、かつ、企業での活躍をイメージできるようなアピールが必要となってきます。
この記事でその方法を考えてみました。
冷静に自分を理解し理路整然とアピールする。思いがあって転職をしてきているはず。企業に伝われば、その回数は決して怖くない！
そう思っていただけると幸いです。