キャリアブレイクは、現代の働き方において重要な要素となり得ると思います。特に日本の働き方においては、過労やストレスが深刻な問題となっています。キャリアブレイクは、そういった「仕事をしなければいけない」といった思い込みを緩和し、バーンアウトを事前に防ぎ、心身のリフレッシュと自己成長、自己振り返りのための貴重な機会です。
このブログでは、現在の日本において、キャリアブレイクを実現するための事前準備を5つ挙げ、その理由も説明します。
今すぐキャリアブレイクをする予定がなくとも、いつ、仕事への意識が変化するかは自分にも分かりません。
この記事を参考に、就業において「今の職場に働き続ける」「転職する」のほかに第３の選択肢「仕事から離れる」を選べるようになってもらえると嬉しいです。
経済的な準備
キャリアブレイク中は収入が途絶える可能性が高いため、生活費や予備資金を十分に確保しておくことが重要です。これにより、経済的な不安を最小限に抑えることができ、キャリアブレイクに集中できる環境が整います。
キャリアブレイクが広がらない要素として、1番に挙げられるのは生活費の問題だと思います。
仕事をやめたいのにやめられない問題と表裏一体に感じます。
すでに、副業や不労収入などで一定の収入がある人は問題ありません。
失業保険での生活に不安のある人も一定数いるのではないでしょうか？
ここで、提案したいのが日々の家計管理といざという時の生活防衛資金の貯蓄です。
年間を通して自分の生活費がどのくらいかかるのか。
今の生活満足度を下げずにどのくらいの節約が必要なのか。
いらないサブスクや保険にお金をかけていないか。
自分が何にお金を使うと公開したり、満足したりできるのかを把握しているのか。
といったことを、仕事が順調で定期的にお金が入っている時から家計簿をつけ、お金のことを自分のコントロール下に置いておきます。
仕事を離れなくいけない状況になった時に、お金の不安を最小限にできるかどうかは、普段からの家計管理がモノをいいます。
貯蓄があるから1年は大丈夫。
自分の生活費は月々〇〇万円だからこれだけの最低限の収入があれば働き詰めでなくても大丈夫。
今の自分の生活費から削れるところはあるから、キャリアブレイクをしても大丈夫。
正常な判断ができるときが今だから、休んだほうがよさそうと感じる。
と言う様に、自分のコントロール下にお金の問題を数値でしっかり把握していれば仕事を離れる不安を減らす事が可能です。
いつ、自分が仕事から離れたくなる時がくるかは誰にも分かりません。
たとえ、いま現在、仕事が楽しくてしょうがないと言う状況でも、自分自身のお金を事細かく管理化におき、いざという時の貯蓄をしておくことが自分を守る最適解となります。
キャリアブレイクの目標設定
キャリアブレイクを単なる休息期間ではなく、具体的な目標（例えば、スキルアップ、リフレッシュ、家族との時間）を設定することで、有意義な時間とすることができます。
仕事を離れた直後は、何も考えられずひたすら休む時間となるかもしれません。
また、育児などで仕事を離れた場合は、なれない育児の忙しさに忙殺されると思います。
最初から、スキルや経験をつけるために仕事を離れた場合は、すぐにでも動くでしょう。
そういった目標ではなく、仕事に忙殺されてバーンアウトした（しそうな）時に仕事を離れた人は、
何もしない時間をもつ
↓
何もしないことの焦りや不安がでてくる
↓
少しずつ自分を見つめ直すことが可能になる
↓
本当に自分のしたいこと、好きだったことがみえてくる
↓
今の自分のスキルや経験と照らし合わせて今後の働き方を考えられるようになる
こういった流れになる人が多いのではないでしょうか？
日本初キャリアブレイクについての本を書かれた北野貴大さんの著作「仕事のモヤモヤに効くキャリアブレイクという選択肢」の中も以下の様に書かれていました。
開放期：とにかく飽きるまで休む
北野貴大著「仕事のモヤモヤに効くキャリアブレイクという選択肢」
虚無期：所属がないことの不安感
実は期：本当の自分の声を聴きはじめる
現実期：再び社会との距離を探る
接続期：自分のキャリアブレイクを定義する
バーンアウトした（しそうな）時のキャリアブレイクに関して言えることは、仕事に忙殺されていた自分の心身をいたわることが優先です。
心身が癒やされてくると、脳の中に余白ができます。
その時点で今後の自分をゆっくりと考えることが、バーンアウトした（しそうな）時のキャリアブレイクを最も活かせる方法だと思います。
目標を掲げてキャリアブレイクを取らねばならないと考えると、焦りや不安だけにフォーカスされてしまいます。
上司や同僚とのコミュニケーション
キャリアブレイクを実行するためには、職場での理解と協力が必要です。
特に、職場を退社せずにキャリアブレイクをするとき（この場合は厳密にはサバティカル休暇といいます）は、事前に上司や同僚と話し合い、自分の計画を共有することも大切です。
自分が担当している業務が滞らないように、代替要員や引き継ぎ計画を整備しておくことが大切です。
これにより、職場の業務が円滑に進行します。
ブレイク中でも職場から連絡がくることもなく、自分のブレイク中も安心して過ごすことができます。
また、自分のブレイク中が問題なく進行することにより、同職場でキャリアブレイクの実績が積み上げられ、後に続く人の良い見本となる事ができます。
自分が休むことで罪悪感を持ってしまいがちですが、自分が社内で良い実績を作れるのだと考えれば、少しラクな気持ちになりませんか？
もちろん、社風にもよるとおもいますが、従業員の心身を顧みない職場だとしたらそこには所属し続ける理由はありません。
キャリアブレイク後の復帰計画
キャリアブレイク後の復帰が円滑に進むように、具体的な復帰計画の候補を調べておくことも、仕事を離れることによる不安軽減にはよい手段です。
これは、ブレイク中に習得したスキルや知識や経験どのように活かせるのかは未知の領域となるので、ざっくりで大丈夫です。
おおよそ、5つの道があるかと思います。
元の職場に戻る、違うポジションになる
これまでの経験を活かして転職する
これまでの経験とは全く違うキャリアチェンジをする転職をする
独立開業する
（完全orセミ）リタイアする
キャリアブレイクをきっかけに離職した人も、休業手当など（サバティカル休暇）を利用して休業している人も元の職場戻ることも選択肢になります。
その際は、これまでと同じポジションに戻ることも違うポジションになることもあるかと思います。
キャリアブレイク中に得た知見を活かせる職種への移動も良い選択肢なのではないでしょうか？
私の知人にも、8ヶ月の休業期間を経て、元の職場に復帰された人がいました。
キャリアブレイク中、徹底的にこれまでの自分を振り返り考え方を改めたことにより、これまでとうってかわり、とても働きやすい職場になったと話していました。それまでは、いつも怒りを抱えながら仕事をしていたそうです。その雰囲気が伝わり周囲からは、常に怖がられる存在だったそうです。
それが、キャリブレイク後、職場や周囲の人の変化はなくとも、本人が変わったために人間関係が劇的に変化したそうです。
また、キャリアブレイク中に自分を徹底的に向き合うことにより、もう、同じ仕事をしたくないと思って休みに入ったとしても、やはり、自分はこの仕事が好き、合っている、もっと極めたいと考える人もいる様です。仕事でバーンアウトしかけた（もしくはしてしまった）人は、職場の環境が合わなかっただけの可能性もあります。働きやすい職場への転職によって、これまでの仕事により一層、向き合うことができるようになることもあります。
キャリアブレイクによって、自分に向き合い、本当にやりたかった仕事にで会う、その仕事に挑戦しようと決意することができる人もいます。それをきっかけにキャリアチェンジの道を選ぶ人もいます。年齢や生活費を稼ぐため、といってなかなか、現職を離れられなかったけれども、キャリアブレイクすることにより、仕事を離れても生活ができると実感することにより挑戦することに気持ちが向くのかも知れません。
同様の理由で、独立開業を選択をする人もいます。
そして、完全もしくはセミリタイアの道です。実際、働かずに生活する経験をすることにより、リタイアへのイメージがついたことにより踏み切る人もいます。
キャリアブレイクが、これまで週5日フルタイムで働かねばならないとおもっていたのが、週に2〜3日働きたい時に働くスタイルでも十分生活できることが実感できる機会だったかもしれません。
まとめ
以上により、キャリアブレイクが単なる休息でとどまることではなく、キャリアの発達にとって有意義な期間となり得ます。
キャリアブレイクという選択肢を知り、いつでもその選択ができるように準備をしておく。
そのことで仕事の分野における人生の自由度を広げることができます。
もし、運悪くやめたくてしょうがないと考える仕事や職場に遭遇した時、仕事に迷いが生じた時に「いつでもゆっくりと自分を見つめ直すことができる時間の選択肢」を手に握っておくことができます。
未来の選択肢を増やすことを頭の片隅に、日々ちょっとした貯金や目標設定、お金の管理をすることから始めてみましょう。